福原愛さんの引退や、「Tリーグ」の発足もあって、このところ卓球の話題をよく耳にする。そんななか、卓球に似たあるスポーツが、じわりじわりと普及しつつあるのをご存じだろうか。
その名も「キムワイプ卓球」。理系学生や研究者に愛好者が多く、競技者団体は、この秋10周年を迎えたという。いったいどんな競技なのか。
会員数は550人以上
キムワイプとは、米キンバリー・クラーク社の紙製ウエス(油分などをぬぐう布)で、日本では日本製紙クレシアが販売している。パルプが原料だが、ティッシュペーパーよりもゴワゴワとした触感で、毛羽立ちも少ないのが特徴だ。水に溶けにくいため、理系の研究室では実験用具のふき取りなどに重宝されている。
そんなキムワイプを使ったスポーツが「キムワイプ卓球」だ。箱をラケットに見立て、球を打ち合うこの競技。「月曜から夜ふかし」(17年10月30日)で東京大学のキムワイプ卓球会が紹介されるなど、徐々に知名度を高めつつある。
競技者団体の「国際キムワイプ卓球協会(KTTA)」も存在し、公式サイトによると2008年9月設立とのこと。意外と長い歴史を持つようだ。本部所在地が「冥王星2番地」と遠いため、メールで問い合わせたところ、代表理事の岩月憲一さんから返事が届いた。
岩月さんによると、現在の会員数は550人以上。アンケートベースだが、会員は大学生や大学院生、高専生が多く、大学教員や企業の研究者、高校生まで幅広くいるという。キムワイプが世界展開されているため「国際」を関しているが、事実上の活動範囲は日本国内にとどまっているそうだ。