株式市場の信頼回復なるか 東証システム障害の余波は...

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東証と証券会社が綱引きするか

   この10万件の扱いは東証と証券会社の争いになる可能性がある。うまく注文できず、肩代わりする羽目になった証券会社側は、責任は東証にあると考えている。一方、東証側は、正常回線にうまく切り替えられなかった証券会社側の落ち度だとみている。双方、主張を引っ込めるわけにはいかず、最終的に白黒はっきりさせるためには法廷で争う事態も予想されるが、それには膨大な時間とコストがかかる。ただ、件数こそ10万件規模と多いが、証券会社側が被った損失はたいして多額にはならないともいわれ、賠償請求せずに矛を収める可能性もありそうだ。

   今回の事態の責任について、東証は宮原幸一郎社長を10%減給(1 か月)、IT分野などを担当する横山隆介常務執行役員をけん責、担当部長を厳重注意――とする処分も発表した。併せて、証券会社と原因や対応策についての情報を共有する場を設けた上で、再発防止策としてシステム対応の強化や障害対応テストなどを行うとした。

   これにより、今回のシステム障害には区切りがついた形だ。ただ、取引できないというのは市場にとっては致命的な不祥事。世界では取引所間の競争の時代に突入しており、それはシステム競争ともいわれる。人為的なサイバー攻撃などへの脆弱性も露呈した形で、日本の株式市場の信頼回復に向け、万全の対策が必要だ。

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