「20歳未満のために協力してやろう、という気持ちで...」
そもそも、なぜこのような確認が行われているのか。基本にあるのは、未成年者飲酒禁止法(18年夏に「二十歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律」が公布)で、飲酒が禁じられている満20歳未満の人の飲酒の防止に資するため、年齢確認その他の必要な措置を講じるもの、とされている。また、20歳未満の人の飲用に供することを知りながら酒類を販売・供与した営業者には、罰金や販売免許取り消しが課される可能性がある。
未成年者飲酒防止に関連しては、たとえば2016年7月、警察庁と厚生労働省、国税庁が連名で、「酒類小売業界等」に要請書を出している。第1番目の項目として
「未成年と思われる者に対しては、運転免許証やマイナンバーカードなど本人の年齢が確認できる証明書の提示を求める等の方法により年齢確認を確実に行うことで、未成年者への酒類の販売又は供与の禁止を徹底する」
とある。「未成年者と思われる者に対しては」との表現だけをみると、「(購入者)全員を対象とした確認」は過剰では、とも受け止められるが、関係行政担当者はどう考えているのか。
ある国税関係者は、具体的な取り組みは各業界、業者が検討するものだとしたうえで、個人的な感想として、
「自分は成人だと見れば分かるだろう、と怒る気持ちも理解できますが...」
としたうえで、社会のシステムの問題として、本当は19歳以下なのに「見れば20歳以上だと分かるだろう、だから年齢確認には応じない」という「ゴネ得」をする若者が出ないように、
「20歳未満の若者の飲酒防止のために、システムとしての年齢確認に協力してやろう、という気持ちで接してもらえれば」
と話していた。