近田春夫「昔よりとにかく強くなってる」 38年ぶりソロ作は児玉雨子、のんら起用の「J-POP」【インタビュー】

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面識がない作家たちとの邂逅

―― AxSxEさん(表題曲「超冗談だから」の作・編曲を担当)ら全く知らない状態から始めたと。

近田:そうです。それで最初にAxSxEさんが書いてきた「超冗談だから」っていう曲ですね。そのデモテープを聞いたときに、すごい面白い人だなと思って。面白いっていうかな。何だかわかんないんですけど、こういう音楽が揃ってくるなら面白いなって感じになって、それで曲の方はコンペで結構集まってきたんだけども。大体あのJ-POPはそうなんですけど、大体先に曲を集めて、それからにそれに詞をハメるっていうことが、業界的には常套的なことなので、その時にはまだ作詞家について川口さんはそんなにプランがなかったみたいなんですよ。それで「超冗談だから」って誰か良い作詞家はいませんかねって言うから、勿論自分では書かないって決めてたからね。ずっと最近児玉さんの書いてるアイドルの曲とか中々ちょっと面白いなって思ってて、「じゃあ1曲その児玉さんに頼んでみますか」って川口さんが連絡とってくれて、逆に川口さんはその時児玉さんと全然仕事したことがない関係で、知り合いでもなんでもなかったんですけど、それで川口さんが児玉さんに連絡してくれて、児玉さんが快諾してくださって、「超冗談だから」ができてきて。

―― 児玉さんは最終的に6曲を担当されました。

近田:そうこうしているうちに65曲集まった中から川口さんが10曲くらいね。僕はだからコンペの曲は聴かずに川口さんが選んできたやつを「次はこの曲にしましょう」、「これはどうしましょう」ってときに、1曲目の「超冗談だから」が曲とのハマり具合とか、歌詞の世界観とか、歌ってみたときの面白さとか、色んなことで凄い作家だなってことがわかったので、2曲目も児玉さんに頼んでみますかってことで、そしたら児玉さんはすごく仕事が早いんですよ。なので、だったらコンペで集めた曲に関しては全部児玉さんで行っちゃおうかって。それで児玉さんにお願いしたら、もう本当にサクサクサクサク書いてきてくれて、っていうのが一個あって。

―― のんさんや秋元康さんはどのように。

近田:のんちゃんはコンペとは別のルートっていうか。詞曲を書くようなシンガーソングライター的な人に。それで誰か面白い人、やりたい人はいませんかってことを川口さんからお話をいただいたときに、彼女が自分でエレキギターを弾きながら、ライブをやっている動画がね、CDのおまけか何かでついてたんですよ。「へーんなのっ」って曲なんですけど、それを観たときに、確かに曲も面白いし歌もストレートで良いなって思ってたんですけど、それ以上にエレキギターのプレイヤーとして、本当にこの人凄いなって。ロックを感じるギタリストだったんですよね。詞も面白かったんですよ。それで、どこか頭の片隅に彼女のことがパッと浮かんで。のんさんとは全然面識はなかったんですけど、のんって人が書いてくれたら嬉しんだけどなって川口さんにお願いしたら、それも二つ返事で引き受けてくれたんで、ギターもお願いできませんかって頼んだら、それも良いですよって。そうやってのんさんは参加してくださって。
 それから秋元康は、元々付き合いが古いもんですから、前々からもし僕がCDとか出すなら「詞書いてあげるから」って昔から言ってくれてたんですよ。そこからAKB48とかどんどん忙しくなってきて、今頼んだら無理って言われるだろうなと思って、ダメ元で秋元に頼んでみたら「大丈夫だよ、書くよ」って感じで、それもその場でOKをもらったんですけど、流石に忙しいからね。頼んでから詞があがるまで半年くらいかかっちゃったけど、絶対約束守る人だから、そういうのは心配してなかったんですけど。

―― そしてセルフカバーですね。

近田:で、後はそのBEEFのときにやっていた、最初に川口さんが僕が歌っているのを良いと言ってくれた「ああ、レディハリケーン」。それからジューシィ・フルーツ用に書いた「ラニーニャ 情熱のエルニーニョ」を川口さんがいれましょうって。それから、このアルバムがその曲から始まったいきさつもあるので。ということで全10曲がそういう振り分けで作家が構成されているということです。
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