玉木雄一郎氏インタビュー 「右も左も古くさい」時代に、国民民主党はどこへ行く?

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「ヌエ」でも「万年野党」でもなく

   ―― 先ほど「ゆ党」という言葉が出ました。主に日本維新の会について表現する言葉で、「対案路線」と共通する部分があるように思えて、必ずしも悪いとは感じませんが、「ゆ党」と呼ばれるのは嫌なんですか?

玉木:これもマスコミのレッテル貼りですから...。そもそも内閣不信任案に賛成したり政府が出す予算案に反対したりしている時点で(国民民主は)立派な野党ですから。つまり、維新みたいに予算案に賛成したりね、不信任案に反対したりすると、まさにそれは「あんたなに?」みたいな感じですが、我々はあくまで自民党に代わるもう一つの政権を樹立したい。私なんか、そのために役所も辞めてやっているわけだから、万年野党やる気はないわけですから。だから常に自民党政権より国民にとってよりよい政策ができないかな、と思いながら毎日うんうん頭をひねっているわけだから、そこは維新さんの、なんだかよく分からないヌエのような存在とは違いますよ。だから、我々は野党です。ただ、しっかりと議論する野党だし、万年野党で「とにかく反対」ばかりではなく、常に自分が政権に取って代わる、そして取って代わったときには現実的な政策をすぐにでもできる準備をしておこうという思いで、政権に向き合っているということですね。

   ―― 政策をアピールすることは重要ですが、選挙では戦術も重要です。19年夏の参院選では野党共闘がカギになります。個別の選挙区で言えば、大阪選挙区(改選数4)では共産党の辰巳孝太郎氏が再選を目指す一方で、立憲民主党は「目玉候補」として弁護士の亀石倫子(みちこ)氏を擁立します。元々は旧民主系が弱い地域で、野党同士で競合する可能性も指摘されています。国民民主としては、こういった注目区に候補を擁立する方針ですか。

玉木:原則、複数区は全部立てます。そこ(野党間の競合の可能性)はね、党が違うから、複数区は切磋琢磨するということでしょう。1人区はできるだけ一本化していく。これが基本方針ですね。立憲さんも同じだと思いますから。

   ―― その1人区ですが、共産党の小池晃書記局長が4野党1会派に「真剣な協議」を申し入れたのに対して、立憲・枝野氏は政党間の話し合いに否定的です。どのように候補者調整に臨みますか。

玉木:私は前回の参院選で香川県で共産党に譲った張本人ですから(編注:32ある1人区で、大半は共産党候補が立候補を断念する形で野党統一候補を擁立したが、香川のみ共産党公認候補が野党統一候補になった)、調整するところは、いろんな調整がこれからありうると思います。ただ大前提として、まだ全部の選挙区に立てきれていないんですよ。空白区をこんなに残して与党を喜ばせてはだめで、まずは各党それぞれ力を尽くしていい候補者を発掘する。仮に複数がだぶったときには様々な調整をしていく必要があると思いますが、一義的には地域で様々な調整のメカニズムができてるところもあるんですよね。国政の我々が国政の都合でバラバラになってしまいましたが、地方はもともと一緒だったりするから、そこでの選定や調整をまずは優先したいと思います。年内をメドに立て切らないといけないと思いますから、この2か月が勝負だと思っています。

玉木雄一郎さん プロフィール
たまき・ゆういちろう 1969年香川県生まれ。東大法学部卒。93年旧大蔵省入省。 2009年の衆院選で初当選し、現在4期目。旧民進党幹事長代理、旧希望の党代表を経て18年9月から国民民主党代表。


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