「新聞業界も普段あれだけ立派なことをいうのに...」
―― 新聞への軽減税率も問題になっています。新聞業界はロビー活動が非常にお上手で、声も大きかったのでしょう。
玉木: 宅配の新聞だけ軽減税率で、まったく同じ紙面の新聞を駅やコンビニ、電子版で見ると10%。日経新聞が最近キャンペーンをやっていましたが、宅配の新聞と電子版セットで頼んだら一体どっちなんでしょう。そこに頭を使うことが無駄です。
―― 10月29日の代表質問でも「公平性のかけらもないし、業界と安倍政権との癒着を疑わざるを得ない」と指摘していましたが、朝日新聞が詳報で紹介した以外は「黙殺」状態でした。玉木代表は、ツイッターで「一社として、私が指摘した、新聞へ軽減税率を適用する不公平を書いていない」と怒っていましたが、朝日が書いていることを指摘されて訂正しました。
玉木: あまりに小さくて発見できませんでした(笑)。新聞業界も普段あれだけ立派なことをいうのに、自分のことは何も話さない。まあ、「よう言うわ」って感じですよ。
―― 軽減税率導入を主張する人は、海外の導入事例も根拠にしています。
玉木: 欧米、韓国の調査もしましたが、等しく言われるのは「Don't follow us」(追随するな)ということです。せっかく単一税率でシンプルにやってるんだったら絶対維持した方がいい、と。経済開発協力機構(OECD)も、複数税率の非効率性を危惧して「やめた方がいい」と勧告しています。そのやめろと言われている制度を今から導入するのは愚の骨頂です。
―― 軽減税率が消費税の逆進性を緩和する、という議論もあります。
玉木: 消費税が低所得者に対して厳しい面があるのは確かです。そうであれば、低所得者に限定して年金を上乗せするとか所得税を安くするとか...。真に助けが必要な人に回りますよね。軽減税率導入には1兆円予算が必要で、誰に還付されるかというと、ほとんどが高額所得者なんです。消費税の必要性は分かりますが、軽減税率はマイナスが多いことは確実です。