世界貿易システムのなかで反中国勢力圏
国際的にも、米国との貿易戦争は持久戦であるのみならず、中国へのマイナスの影響は一部の官僚や政府側の学者が言うように「有限的」ではないということがますます明らかになっている。
2018年、中国が国慶節の長期休暇中、北米自由貿易協定(NAFTA)は米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)にとって代わられ、米トランプ大統領はこれを今まで米国が達成した最も重要な貿易協定の一つとまで言っている。欧米の大手メディアは一般的に、後者は事実上、米国が盟友に中国との貿易交渉を行うのを阻止する「毒薬」で、米国はこれにより世界貿易システムのなかで反中国勢力圏を築き上げようとしていると認識している。
さらに、同じ中国の長期休暇中、米国のペンス副大統領がハドソン研究所で行った意気込みたっぷりの対中国政策演説が中国ひいては世界を震撼させた。中国では、この演説は米中が「新冷戦」状態へと進んだことを象徴するものであると解読された。これが中国市場および投資家に与える心理的震撼は極めて顕著なものであった。
衝撃は単なる心理的なものにとどまらない。中国電気機械製品輸出入商会が10月16日にメディアに提供した資料は、中米貿易戦争が明らかに中国の電気機械輸出を抑制していることを示している。電気機械製品は一年を通して中国の対外貿易の大半を占めるが、主に民営企業が生産し、取り扱っているものだ。
A株暴落の背後には、企業全体の収益の低落、さらに米国が仕掛けた貿易戦争という脅威がある。
(在北京ジャーナリスト 陳言)