イランへの経済制裁が影響
これからの原油相場の行方を見るポイントは、中東のイランとサウジだ。
イランについては、核開発を制限する合意をイランと6カ国(米英仏ロ中独)が2015年に結んだが、米トランプ政権が一方的に破棄し、新たな経済制裁を発動した。11月からイラン産原油の輸入停止を世界に迫り、日本を含む多くの国がイランからの原油輸入を取りやめざるを得なくなった。イランの原油輸出は2017年の日量250万バレルから2018年8月以降、200万バレルを割り、2019年には2017年から半減するとの見方がある。要は、イランの輸出が減る分、世界全体の原油の供給量が100万バレル単位で減るということで、価格上昇圧力になる。
トランプ政権は原油価格上昇が米国内物価を押し上げ、経済にマイナスになる事態を回避するため、OPECなどにイランの減少分を埋めるよう、増産を求めたが、OPEC加盟国と非加盟国の9月下旬の会合では、増産などの決定を見送った。