アース・ペット「健康な成猫であっても副作用は起きる可能性がある」
上記で紹介した例のほかにも、Aさんの投稿には「異変が起きた」というリプライが多く寄せられている。アマゾンレビューでも、「毛が抜けました」「使用後、食欲不振で寝込む」といった書き込みが見られた。
メーカーはこの事態をどう受け止めているのか。J-CASTニュースは10月31日、アース・ペットを取材した。
取材にはマーケティング本部や、研究開発本部の担当者ら5人が応じた。「薬用アース サンスポット猫用」は2001年に発売。その後も改良を繰り返しており、現在販売しているのは2014年に開発したものだという。アマゾンでは現在、「薬用アース サンスポット猫用」(6本入り)が「現在お取り扱いできません」と表示されているが、この理由に関しては、「6本入りは18年春の時点で販売効率の問題で完全に販売終了(廃版)となっており、現在は6本入りと中身は同じであるが3本入りと1本入りのみ販売しているため」と説明した。31日時点で、3本入りと1本入りの商品はアマゾンでの取り扱いが確認できた。
取扱説明書とパッケージには、首筋に2、3滴滴下するパッチテストを行った後、半日程度様子を見て異常がなければ、肩甲骨間の2点の皮膚に半分ずつ滴下するよう記載されている。また、パッケージには書かれていないが、老猫や体調不良の猫などには使用しないよう、6パターンのケースが説明書に書かれている。担当者は、肩甲骨付近への滴下を促しているのは「猫が舐め取りにくい場所だから」と話す。滴下された薬剤は皮脂にのって全身に拡散し、3~5日で全身に行きわたるという。
さらに説明書には、パッチテストの時点で「皮膚が赤くなる、痒がる、通常と異なる症状」がある場合は、体表に広がった成分を取り去り獣医師に相談するよう記載されている。パッチテストで異常がなくても「よだれがでる、ひどく痒がる、皮膚が赤くなる、ひどく毛が抜ける、嘔吐する、ひどく興奮する、元気がなくなる、通常と異なる症状」が現れる可能性があることが記されている。
J-CASTニュースが取材したケースや、ネット上の「報告」の中には、上記のパッチテストを行っていなかった、あるいは猫が高齢だった例もある。その一方で、初めて使う時にパッチテストを行い、その際は異常がなかったが、「3回目は異常が現れた」というAさん(猫は3歳)のようなパターンもある。
担当者はツイッターやアマゾンレビューで挙げられている「異変」に対し、「副作用の範囲内である可能性がある」「猫の性格や特性は様々であり、健康な成猫であっても副作用は起きる可能性がある」と説明。副作用のほかにも、嘔吐は「滴下部分を舐めてしまい、異物と認識して反射的に吐き出すことがある」、毛が抜けたのは「滴下された部分に違和感があり、なめたり、掻いたりした可能性もある」と説明した。