会見が終わる直前、司会進行役が取り出したのは、安田さんが書いたという「ある言葉」だった。
フリージャーナリストの安田純平さん(44)は2018年11月2日、日本記者クラブ(東京都千代田区)で記者会見を開いた。
「とにかくいつかは帰れるんだと、ずっと考え続けていました」
安田さんの会見は予定時間を約1時間半オーバーした。司会進行役は「次の予定もありますので」と質疑応答を終了させたのち、一冊のゲストブックを掲げた。登壇者の記帳が恒例となっている冊子だ。そこに書かれていたのは、「あきらめたら試合終了」という言葉だった。進行役は、
「安田さんが本日、記者クラブに記帳された言葉は、『あきらめたら試合終了』。『あきらめたら試合終了』と言う風に書かれています。この意味について何か一言ありましたらどうぞ」
と説明。促された安田さんは、
「本当にこの文字通りで、諦めてしまったら精神的にも肉体的にも弱ってしまう。とにかくいつかは帰れるんだと、ずっと考え続けていましたので、この言葉を書かせていただきました」
と話した。
これ以上の説明はなかったが、ネット上などでは漫画「SLAM DUNK(スラムダンク)」の登場人物、安西光義先生のセリフ「あきらめたらそこで試合終了だよ」から取ったものではないか、との声が相次いでいる。作中で三井寿を励ますためにかけた言葉で、「名言」としてしばしば引用される。