阪神FA「負の歴史」払拭なるか オリックス西勇輝獲得に意欲

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   プロ野球の阪神が、国内FA権を取得しているオリックス西勇輝投手(27)の獲得に向けて準備を進めている。西投手は今年(2018年)5月に国内FA権を取得しており、阪神、中日など複数の球団が獲得へ向けて調査。10月31日付けの日刊スポーツWEBサイトでは、西投手のFA権行使に備え、阪神が4年総額20億円級の大型契約を準備していると報じている。

   今オフの大きな課題となるFA選手獲得による補強。ドラフト会議後の26日には、新オーナーの藤原崇起会長と、揚塩健治球団社長ら球団フロントが会談し、FA選手、新外国人獲得に向けて、総額20億円近くの補強費を準備することを確認したという。

   2018年シーズン、阪神が熱視線を送ってきたFA選手は、西投手と地元大阪出身の西武・浅村栄斗選手。先発投手陣に不安を抱え、貧打にも苦しんだ打線だったが、球団は貧打の解消よりも投手陣のテコ入れを優先させる方向に舵を切ったとみられる。

  • 阪神タイガースの本拠地・甲子園球場
    阪神タイガースの本拠地・甲子園球場
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「えっ?浅村選手じゃなく、西投手にこの条件?」

   ただ、4年総額20億円が報じられると、この報道に対してネットでは阪神ファンによる非難の声が殺到した。

「さすがにこれは高すぎやろ」
「えっ?浅村選手じゃなく、西投手にこの条件?」
「西はいいピッチャーやけど、4年20億は価値が高騰しすぎ」

   実際、4年総額20億円で契約を結べば単年5億円となり、今年の沢村賞投手、巨人・菅野智之投手の4億5千万円(推定)を超える。今年、10勝13敗の右腕に沢村賞投手を上回るほどの価値があるのか。議論の余地はあるだろう。

   また、球団の補強戦略について疑問の声も多く上がった。今年のドラフトでは上位3選手が野手。即戦力投手として齋藤友貴哉投手(Honda)を4位で指名したものの、ファンからは、上位で即戦力投手を指名しなかったツケがまわってきたとの批判が出ている。

   FAに関して、阪神にいまだ「負の歴史」を払拭しきれないでいる。

   過去、阪神がFAで獲得した投手はことごとく結果を出していない。1993年にFA制度が導入されて以降、阪神は11人の選手をFAで獲得してきた。そのうち4人が投手である。

   1994年にオリックスから移籍した山沖之彦氏をはじめ、星野伸之氏、小林宏之氏、高橋聡文氏がFAで移籍してきたが、移籍前と同等の成績を残したのは高橋氏だけで、他の3人は故障などもあり、阪神で実績を残せず、山沖氏にいたっては、移籍後、故障の影響で1軍での登板は一度もなかった。

   三重県出身の西投手に地元球団の中日が調査を進めており、西投手がFA権を行使すれば獲得に名乗りを上げる可能性は十分にある。中日以外にも獲得へ動くとみられる球団があり、複数球団による争奪戦が予想される。

   西投手の動向により状況は変わってくるが、現状ではFAで投手陣の再建を目指していく。

   マネーゲームの様相を呈してきた西投手の争奪戦だが、阪神に勝機があるのか。これから繰り広げられるFA争奪戦の結果が、来シーズンの阪神の命運を握っている。

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