「就職から1~2年間はインターンシップをしているようなもの」
20代特有の転職のポイントについて語った
ただ、板倉氏はこうした現状をネガティブに捉えているわけではない。
「海外では卒業後の進路を決める際、長期間のインターンシップを行うことが当たり前になっています。そこで認められて正式に雇用されるというパターンです。
日本でも以前に比べるとかなりインターンシップが盛んになっていますが、長期のインターンシップを経験している学生が果たしてどれくらいいるでしょうか。学生の多くは、企業のことを深く理解しないまま採用試験を受けます。企業側も、本当にその人が自分たちの求める人材かどうか分からない。お互いがそういう状態で入社していくのです」
こうして考えた時、「最初に就職した企業を離職するまでの期間が3年というのは、むしろ長いという見方もできます」と板倉氏は言う。
「最近の20代の方々は、就職してから1~2年間はインターンシップ感覚で働いている方が多いように見受けられます。大切なのは、入社後は自分の能力や適性、気質を見極める期間として捉え、与えられた仕事に懸命に取り組むことです。
その結果、どうしても自分に合わないという気持ちが強くなった場合、転職も一つの選択肢でしょう。自己分析をした上で、次の企業を慎重に選んでいただきたい。最初に勤めた会社で自分が何を経験したか、何ができて何ができなかったか、どんなことを学んだか、そうした自己分析をして次にチャレンジをすることが大事になります」