20代の転職で一番大事なこと プロが「能力」より「素直さ」と断言する理由

提供:Spring転職エージェント

「『ミスマッチ』では片付けられない問題」

   転職の「売り手市場」の傾向は20代でも顕著で、「転職したいと言って手を挙げると、かなりの確率で転職できますし、条件も良くなるという状況になっています」という。

   一方で、議論の対象にもなるのが「3年以内離職率」の高さだ。厚生労働省の最新の統計によれば、大学新卒者(2014年卒)の3年以内離職率は32.2%にのぼる。

「この状況を見ると、『ミスマッチが起きているんじゃないか』と言われますが、実は『ミスマッチ』なんていう言葉では片付けられない問題があります」

   企業側の求めていた人材像に採用した人材が合致しないこと、あるいは、人材が入社前の予想に反して入社後にその会社で自身の能力を発揮できないこと、といった意味で言う「ミスマッチ」。企業側にも人材側にも「こんなはずじゃなかったのに...」と思わせる悩ましい問題で、ミスマッチが起きれば、せっかく就職しても早期に離職を選んでしまうことは珍しくない。

   バブル崩壊以降、日本の経済は大きく変化した。「社員の面倒を一生見るという旧日本的な企業カルチャーが変わり、会社と個人の間に一定の距離感が出てきました」。その後、経済が回復してくると、「必死に勉強してスキルも磨かないと就職できないかといえば、そうではなく、ほとんどの人が就職できています」。板倉氏は「これは環境の要因もある」と言う。

「誤解を恐れずにいうと、日本人は同調志向が強い部分があります。学生の就活において、周りが就職活動を始めると、同じように始め、内定が出始めると、拙速に受諾する方が多いのが現実です。『ミスマッチ』という以前に、会社や仕事への理解、自身への理解が浅い状態で入社してしまうのです」
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