モデルでタレントのけみおさん(23)が、ハロウィンで東京・渋谷に集まる一部の人々による破壊行為やゴミ廃棄などの治安問題について、ツイッターに投稿した動画で怒りをにじませた。
けみおさんといえば「どこまで行っても渋谷は日本の東京」というフレーズなどで知られ、女子高生を中心に若者から大きな支持を集める。自身のYouTubeチャンネルやテレビで見せるのと同様の軽妙な口調ながら、「ウチらの治安を乱すヤツらはウチらが許しませんよ」と若者が暴徒化する現状に釘を刺した。
「ハロウィンはそういうイベントじゃなくない?」
ハロウィン前日となる2018年10月30日、けみおさんはツイッターに動画を投稿。自宅らしき質素な室内で、映画「スーサイド・スクワッド」などに登場する女性キャラクター「ハーレイ・クイン」のコスプレをしたけみおさんが、ゆっくりと左後方からフレームインしてくる。「ヤッホー! みんな元気ー?」と、ややハイトーンの快活なあいさつで始まったかと思うと、右手に持った玩具のハンマーを一振りし、
「ちょっと聞いて! 小耳どころか『大耳』に挟んだんだけど、ハロウィンによってウチらの愛おしい渋谷の治安がどんどん悪化してます。最終的にはトラックをブチ倒す若者までいますけどどうする? っていうニュース読んだんだけど! ...何が起きた、2018年? ハロウィンはそういうイベントじゃなくない? って聞いてるんですけど」
と矢継ぎ早に疑問を投げかけた。
ハロウィン前最後の週末となった27日夜には、渋谷に集まった若者の一部が暴徒化。通行中の軽トラックを取り囲んで複数人で横転させながら歓声をあげたり、破壊行為に及んだりし、翌朝の路上には大量のゴミが散乱していた。暴行・痴漢などで複数の逮捕者も出ている。
長谷部健・渋谷区長は29日、ハロウィン本番の31日を前に声明を発表し、「周囲に迷惑をかけることなく、健全に楽しんでいる方たちはきちんといらっしゃいます。また、日頃から真に渋谷の街を愛し、この街を誇れるようにする努力をしている方たちもたくさんいらっしゃいます。そういった方たちの努力や思いを踏みにじる一連の行為は、到底許せるものではありません」と強い口調でモラル・マナー・法令の順守を訴えた。
「みんな安全に、人のことを思ってハロウィン楽しんでね」
16年から米国に活動拠点を移しているけみおさん。YouTubeチャンネルへの登録者数が108万人(30日時点)を超えるなど、渡米後もSNSなどを通じて人気を集めている。上記の動画では「私ね、本当はね、このハンマーを片手に渋谷をパトロールしたいんだけど...いま私アメリカにいて、しかもハロウィン時期で飛行機代が超高いから全然経費でおりねえ! って思って行けないんだけど!」と、現地に行けないもどかしさもコミカルに発信。体を左右に揺らしながらカメラに1歩2歩と近づくと、
「ウチらの治安を乱すやつらはウチらが許しませんよ! っていうことで、それだけ伝えたかった。とりあえずみんな安全に、人のことを思ってハロウィン楽しんでね!」
と呼びかけた。冗談か本気か、「それでも何か言ってくる奴がいたら...こうしてやるの!」と言って、手に持ったスタンガンらしき物をバチバチと稼働させると、「じゃあねー!」。時間にして50秒の動画だった。
メッセージ性とあわせ、途中、後方からホラー映画「IT(イット)」に登場するピエロ「ペニーワイズ」のコスプレをした人物が顔をのぞかせる演出もあってたちまち話題に。投稿には、
「明日来てください 待ち合わせはけみお前でよろみ」
「kemioくんうちらの渋谷が荒れてます助けて」
「渋谷は日本の東京だから あれが日本だと思われたら残念」
といったリプライが相次いでいる。