同時に掲載された「軍視察」
15年4月にインドネシアのジャカルタで開かれたアジア・アフリカ会議(バンドン会議)の会場で会談した際には、インドネシア、ミャンマーとの首脳会談では、国旗が首脳の後ろに置かれたが、安倍首相との会談では国旗はなかった。人民日報の紙面ではインドネシア、ミャンマーとの会談は1面で、日本は2面。こういった明らかな「差別待遇」からは脱したと言えそうだ。
ただ、これだけで中国側が日本を「厚遇」していると言えるかは微妙だ。人民日報の1面では、右半分のスペースで安倍氏と習氏の首脳会談を報じる一方で、左半分では、さらに大きなスペースを使って習氏が人民解放軍の南部戦区を視察したことを報じている。南部戦区は南シナ海の防衛を担当していることで知られる。新華社通信が発行する新聞「新華毎日電訊」でも、やはり視察の記事のスペースの方が日中首脳会談の記事よりも大きく、中国政府にとっての優先順位がうかがえる。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)