北海道「復興」がアベノミクス左右? 訪日客マイナス脱却の目途は

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

長ければ「年度内」は影響が続くか

   台風による関空の閉鎖は一時的なもので、9月21日には旅客の運航は通常に戻ったが、問題は北海道の地震の影響が10月以降も続くかどうかだ。

   訪日客は安倍政権が中国を中心にビザ発給の条件を緩和したことから2013年に年間1000万人を突破。その後も毎年400万人以上のペースで増え続け、2016年に2000万人を突破し、2018年は3000万人の大台が目標だが、9月時点で2346万人にとどまる。政府は東京五輪・パラリンピックがある2020年に4000万人とする目標を掲げるが、いずれの目標達成もこの10月以降の訪日客の回復の行方にかかっている。

   政府は10月から北海道内の旅行料金を1泊最大2万円補助する「北海道ふっこう割」を始めており、2018年度予算から予備費81億円を充てることを決めた。西日本豪雨や北海道地震など災害からの復旧・復興には9400億円の補正予算案を閣議決定したものの、全道で長期停電を引き起こした北海道電力の停電対策などはこれからだ。中国、韓国など訪日客の不安を解消できるかは見通せない。

   観光庁の田端浩長官は9月16日の記者会見で「関西は需要が回復基調にあるが、北海道は地震の影響が残る可能性がある。今後の見通しは難しいが、2020年4000万人の目標に向け、需要回復の対策をしっかりとりたい」と述べるにとどまった。訪日観光に詳しいエコノミストの間では「過去の災害の経験に照らすと、北海道は年内か年度内いっぱいくらいは訪日客に影響が続くのではないか」との指摘があり、観光業界は気を揉んでいる。

1 2
姉妹サイト