ファミマ側にも「願ってもない」話
ユニー・ファミマ、その筆頭株主である伊藤忠商事にとっても、総合スーパー切り離しは、願ってもない申し出だった。
ユニー・ファミマは2016年9月、コンビニ3位のファミリーマートと、4位のサークルKサンクスを傘下に持つユニーグループHDが経営統合して誕生した。このとき、ファミマがほしかったのはコンビニだけで、業績の振るわないユニーを切り離したかったとされる。結局、セットで引き受けることになったが、ユニーについてはドンキと協業するまで、目立った成果を上げられなかった。
ユニー・ファミマは11月、株式公開買い付け(TOB)を実施し、ドンキHD株の2割強を取得して筆頭株主になる。2019年1月には6割を保有するユニー株をドンキHDに売却する。ドンキHDは、国内だけでなく環太平洋地域での発展を期して、2月に商号をパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスに変更。今後5年間で、ユニーの100店を共同店舗に転換していく。ユニーを切り離したユニー・ファミマも、2019年春の株主総会に向け、社名変更や組織再編を検討する。
とはいえ、業界の暴れん坊、ドンキと、愛知地盤の名門スーパー、ユニーは、社風が全く異なる。ドンキがユニーを飲み込む形となるが、ユニー従業員がドンキ流についていけるのかが大きなポイントになりそうだ。