大坂なおみ、格下に途中棄権で敗退決定 「イベントラッシュ」との関係

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   女子テニスの年間成績上位選手による、WTAファイナルA組最終戦が2018年10月26日、シンガポールで行われ、世界ランキング4位の大坂なおみ(日清食品)が、同9位のキキ・ベルテンス(オランダ)と対戦し、第1セット後に途中棄権した。大阪はこれで3連敗となり今大会の敗退が決まった。

   第1セット序盤、大坂は攻撃的なベルテンスと互角に打ち合い、順調な滑り出しを見せた。第7ゲームはいきなり連続で3ポイントを奪われブレークを許した。続く第8ゲームをキープされると、テーピングをしていた左足が気になる様子の大坂がメディカルタイムアウトを取った。

  • 大坂なおみ選手(18年9月撮影)
    大坂なおみ選手(18年9月撮影)
  • 大坂なおみ選手(18年9月撮影)

大きく飛躍のシーズン

   そして迎えた第9ゲーム。ベルテンスにラブゲームでブレークを許した大坂はベンチに戻ると涙を流して途中棄権した。

   ここまで2敗の大坂は、準決勝進出へ落とせない一戦だった。すでに自力での準決勝は消滅しており、準決勝にコマを進めるためには勝利が絶対条件で、第2試合のスティーブンス(米国)対ケルバー(ドイツ)戦の結果待ちの状況だった。

   WTAファイナルは大坂にとって夢の舞台だった。年間の成績上位選手だけに出場が許される世界最高峰の大会。大阪は幼いころから憧れ続けた。

   途中棄権を受け入れた直後のコートでは、右腕を上げて詰めかけたファンに気丈に応えたが、父・レオナルド・フランソワ氏に声をかけられるとたまらずタオルで顔を覆った。

   大きく飛躍のシーズンだった。

   今年3月、ツアーカテゴリで4大大会に次ぐプレミア・マンダトリートーナメントのインディアンウェルズ・マスターズに出場しWTAツアー初優勝。プレミア・マンダトリー大会でのシングルス優勝は日本人女子初の快挙で、WTAランキングを44位から一気に22位にまで上げた。

来季も「チームなおみ」は健在

   そして8月の全米オープンで日本女子史上初の決勝進出を果たすと、憧れのセリーナ・ウィリアムズ(米国)を6-2、6-4のストレートで破り、グランドスラム制覇を達成した。弱冠20歳の女王が誕生した。

   インタビューでのユニークな受け答えと、屈託のない笑顔が受け、全米で「なおみフィバー」が巻き起こり、それは海を越えて日本にも伝播した。

   全米オープン後の東レパン・パシフィック・オープンに出場するために帰国した大坂を待ち受けたのは、イベントラッシュだった。連日スポンサーのイベントが秒刻みで詰まっており、そのたびにメディア対応に迫られた。

   大会ではイベント疲れによる調整不足が心配されたが、地元ファンの声援に必死に応えて準優勝した。だが、やはり日本での無理がたたり、体が弱っていたのだろう。ウィルス性疾患により次戦の武漢オープン(中国)を棄権した。

   その中で世界ランキングをキープし、WTAファイナル出場を果たしたのは、今シーズンの成長の証でもある。しかし、結果は涙で締めくくる悔しいものとなった。来シーズンに関して、コーチのサーシャ・バイン氏は契約継続を希望していることから、来シーズンも「チームなおみ」で臨むことになりそうだ。

   今シーズン、世界ランキングの最高位は4位。世界のトップまであと3つ。来シーズンこそは世界の頂点まで登りつめる。

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