「巧みなカタールの外交戦略」?
こうした関係からは、身代金をめぐって安田さんは「払うな」、日本政府も「払わない」という考えがあったとも推測される。安田さんが本当に政府に泣きついたり、政府が身代金を払って安田さんを解放しようとしたりしたというのは、疑問が残る。そうした中で、解放にあたって別の国で身代金の授受があったとの情報がある。カタールだ。
複数メディアの報道によれば、在英民間団体「シリア人権監視団」のラミ・アブドルラフマン代表が23日、カタールが身代金100万~300万ドル(約1億1100万~3億3800万円)を支払ったと主張したのだという。
なぜカタールが日本人解放に金銭を出してまで動くのか。同代表は、「解放に尽力した姿勢を国際的にアピールすることだ」と指摘したことが報じられている。
また、前東京都知事で元厚生労働相の舛添要一氏は24日、ツイッターで「サウジなど4カ国に断交され孤立しているカタールの狙いは、人道面の貢献で国際的評価を上げ、また日本政府の支援を受けること。サウジが非難されているときに、巧みなカタールの外交戦略である」と身代金支払いの思惑について投稿した。安田さん本人の意思と無関係なところで、解放の動きが進められていた可能性がある。
(26日追記)読者からのご指摘を受け、本文の一部を修正いたしました。