「はろ(払)ちゃあかん」のメモ
ただ、本意として「泣きついた」かどうかは定かでない。まず、武装勢力によって撮影された写真・映像では、助けを求めるよう脅迫されていた可能性はある。加えて、安田さんの妻・深結(みゆ)さんが24日、日本テレビの報道番組で、拘束中の安田さんによる直筆メモを公開しており、「いろんなメッセージが込められていた」と語っている。
メモは解放交渉の関係者だという人物を介し、深結さんが安田さんに投げかけた7つの質問に回答したものだ。書かれていたのは「Harochaakan, Danko6446, Bujifrog」という文字列。「はろ(払)ちゃあかん、断固無視しろ、無事帰る(フロッグ=カエル)」と解釈できるとして、「身代金を払うな」というメッセージだったとの推測がなされている。深結さんは、質問を書いたのは15年、回答のメモを見たのは18年。これだけ手の込んだメモで、真意と異なることを書くとは考えづらい。
日本政府も今回の解放にあたり、菅義偉官房長官が23日深夜の会見で「身代金を払ったという事実はない」と発言。菅氏は16年3月の会見でも、安田さん解放のための身代金要求について「承知していない。政府の対応方針が変わることはない」と表明していた。