「日本酒の冷や」と聞いたら、どんなものを思い浮かべるだろうか。
あるユーザーが投稿した、居酒屋の店員と客の会話が、ツイッターで話題を呼んでいる。「冷たい酒(冷酒)」を飲みたいと思った客が、日本酒の「冷や」を注文したところ、店員が常温の酒を出したというものだ。正しいのはいったいどっち?
「冷やでって頼んだのに...」 困惑するユーザーも
投稿主は学生時代に居酒屋でアルバイトをしていたというくまちゃん(@boooonsai)。2018年10月23日に、以下の会話をツイッターに投稿した。
客「日本酒、『冷や』で頼んだんだけど...」
店員「はい、冷やです」
客「ぬるいんだけど...」
店員「はい、日本酒の『冷や』は常温です」
客「『冷や』は冷やしたお酒でしょ?」
店員「それは『冷酒』です」
投稿は「というトラブルが全国の居酒屋で多発したので、最近は『冷や』と頼まれると常温か聞く模様」と続いている。
「広辞苑」第七版によれば、「冷や(冷)」は「燗のしていない日本酒。ひや酒」とあり、「冷やす」ことは含まれていない。つまり本来は基本的に「常温」を指すのだが、このエピソードにもあるように、「冷や」=「冷たい酒(冷酒)」という認識を持つ人も多い。
リプライ(返信)欄では「冷や」を巡る議論が繰り広げられた。
「逆に私は冷やでって頼んだのに冷酒ばかり出されてげんなりしてます」
「なんでも日本酒は冷蔵して出す店が増えた。常温で出さんといかん酒もあるねん。だから『冷や』の概念がおかしくなる」
「とはいえ、最近は大体日本酒は冷蔵してあったりして殆どが冷えてたりするんで、余程の昔からの居酒屋じゃない限り常温では出てこないですよねぇ~」
投稿は客が「冷や」が「常温」を指すことを知らなかったパターンだが、リプライでは店員が知らない「逆パターン」も散見され、なかには「お冷や(水)」が出てくるケースも...。現在では「冷や」を「常温」の意で使うこと自体が減っているのだろうか。J-CASTニュースは10月25日、創業1637年の老舗日本酒メーカー「月桂冠」を取材した。