巨人・原辰徳が「禁煙令」 若手ホープに突き付けた覚悟と期待

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桑田氏が作った球界禁煙の流れ

   球界にこの流れを作ったのが、元巨人の桑田真澄氏と言われている。

   桑田氏は現役当時、ロッカールーム内での喫煙に我慢がならなかったという。ただ、桑田氏は一方的に禁煙を主張したのではなく、解決法として提案したのは分煙だった。

   桑田氏の提案により、球団は移動の際に2台のバスを用意した。ロードの際には、喫煙者用と禁煙者用にバスを分煙して移動。他球団もこれにならって移動の際には2台のバスを使用することが定着した。

   横浜DeNAベイスターズは2012年の球団発足時に、球場内の全面禁煙を打ち出した。DeNAはオフに医療の専門家を招いて選手向けのセミナーを開催するなど、選手へ禁煙を促してきた。

   メジャーでは現在、喫煙者はほぼいないという。米国内での喫煙者が減少している影響もあるが、アスリートとしての自覚を持っているメジャーリーガーにおいて禁煙は常識である。かつてメジャーで見られた噛みたばこは、マイナーリーグでは禁止され、メジャーでも口にするものはほぼいないという。

   メジャーでの禁煙のひとつのきっかけになったのは、1996年のある事がきっかけだったといわれる。

   当時ドジャースに所属していたブレット・バトラー氏が扁桃腺ガンを告知され手術を受けた。バトラー氏は翌年復帰を果たしたものの、そのシーズン限りで現役を引退した。

   これをきっかけとして、メジャーリーグで禁煙の動きが広がったという。MLB主導で春季キャンプに医療の専門家を招いて、禁煙の啓蒙活動を行い、喫煙が体に及ぼす影響を選手たちに伝えてきた。

   このような経緯もあり、20年以上経った今、メジャーでの喫煙者はほぼいなくなった。ただ、ロッカーでは葉巻を吸うことは許さている球団が多く、優勝を決めた試合後など特別な日にキューバ産の高級葉巻を楽しむ選手がいるという。

   日本球界において、喫煙の習慣のある選手が減少しているのは明らかな事実。原監督が岡本選手に求めた禁煙について、プロとして当然という声が多い中、プロ野球関係者の中には「本人が納得いく形で禁煙を勧めるのが大切。DeNAのように、球団が禁煙の啓蒙活動を行い、選手に理解を求めることがベストだと思う」と球団の姿勢を求める声もあった。

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