現場のネットニュース記者は、ドラマ「フェイクニュース」をどう見たか

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日常に隣り合う「炎上」

   「炎上」は日常と隣り合っている。だからこそ、怖い。告発者は根っからの悪人ではなく、正義感にかられただけで、どこか憎めない人間性を持っている(少なくとも前編時点では)。しかし、ネット越しにその本性までを読み取るのは不可能だ。

   スマートフォンの普及で、どこからでもボタンひとつで拡散できるようになり、気軽に「炎上」へ参加できるようになった。おそらく告発投稿をリツイートした人も、MAD動画にコメントを付けた人も、誰かの人生を左右しているとは思っていないだろう。

   一方でドラマは、メディアの姿勢にもクギを刺している。テレビにおける視聴率同様、PVは影響力の指標としてわかりやすい。PV至上主義に反目していた東雲ですらも、自分の記事が50万PV突破と聞くと動揺するし、フェイクニュースに釣られたまとめサイトの方が、自サイトの記事よりPVを取っていると気を揉むほどだ。

   イーストポスト編集長の「うちはネットメディアだ。報道じゃない」との発言は行きすぎな気もするが、これだけネットニュースが群雄割拠になった昨今では、そこまで割り切った媒体があってもおかしくはない。とはいえ、それを真っ向から否定するのではなく、登場人物の何気ないセリフに込めたところは、作品の妙と言えるだろう。

(J-CASTニュース編集部 城戸譲)

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