「自宅凸」と「MAD動画」
ツイッターなどでの実況では、「炎上」の描写も話題になった。ツイートが一気に拡散してしまうのはもちろんだが、ネット掲示板「7ちゃんねる」で人物の特定が始まり、一般人がスマホ片手に自宅前から凸(とつ=突撃)配信をする。渦中の企業の記者会見は「ぬこぬこ動画」で生中継され、まとめサイトの「イタぃ速報」(当然ながら、すべて架空の名称)が速報記事を出す――。これまで何度となく繰り返された構図だ。
なかでも秀逸だったのが、「MAD」動画だった。写真や映像素材を利用して、面白おかしくコラージュ化。00年代後半に動画共有サイトが誕生してから数年間、あらゆる権利の問題を抱えながらも、人気を得続けてきた動画ジャンルだ。前編のラスト、スタッフロールとともに、自宅凸映像をもとにした告発者のMADが流れると、その完成度から「怖すぎ」「心底気持ち悪かった」といったツイートが続出した。
なおドラマ本編のみならず、NHK公式サイトでも、このMAD動画は見られるが、
「※MAD動画の公開は、内容により肖像権、名誉権、著作権、その他の権利を侵害する可能性があり、その場合法的責任を問われるリスクがあります。本動画は放送上の演出であり、類似MAD動画を推奨するものではありません」
との但し書きが付けられている。