脳科学者の茂木健一郎さん(56)が2018年10月22日、若い世代の「テレビ離れ」が著しいとして、その驚きをブログにつづった。
「地上波テレビ、凋落の衝撃」とのタイトルのエントリーで茂木さんは、
「若い世代のテレビ離れが衝撃的である。先日、心から驚いたことがあった。中学生と話していたら、『明石家さんま』さんを知らなかったのである」
と、お笑い芸人の明石家さんまさん(63)を知らない中学生に出会ったと報告。併せて、「彼は、テレビは一切見ないのだという。動画を見たり、ゲームをやったりする」と、その中学生がさんまさんを知らなかった理由にも驚愕している。
「西郷どん」の視聴率は0.05%?
さらに茂木さんは、ある中高一貫校を訪問し、全校生徒に向けて話をした際のエピソードとして、
「大河ドラマ『西郷どん』を見ている人、と聞いたら、その結果があまりにも衝撃的だった。なんと、2000人中、たった「一人」しか見ていなかったのである」
「とにかく一つのサンプリング地点ではこんな結果だった」
と、「西郷どん」の視聴率が「0.05%」だったことに驚いている。
これらのエピソードを紹介した上で、茂木さんは
「地上波の衝撃の凋落。今のところ、まだ、上の世代のお客さんで『持つ』のだろうけれども、子どもたち、若い世代が見ないとなると、将来的にはきつい。(中略)特にタレントの馴れ合い、内輪話。そして、事務所のゴリ押しは、ネット世代にとっては遠い世界のおとぎ話(しかも全く興味のないおとぎ話)でしかないだろう」
と、テレビが時代遅れになり始めていると指摘している。
最後の希望は「深夜アニメ」なのか
その一方で、
「一方、希望もある。地上波テレビで放送されている『深夜アニメ』は、子ども、若者たちに圧倒的に、熱く支持されているのだ」
とも評価。その理由として、
「深夜アニメの何が彼らのハートを熱く掴んでいるのかと言えば、やはり、企画、制作で世界観、オリジナリティを追究して(中略)いるからだろう」
「その前の時間帯に見られる、タレントの馴れ合い、内輪話、事務所のゴリ押しといった『悪しき地上波文化』が深夜アニメにはない」
と、その理由を表記。最後の部分では、
「凋落の衝撃と、一方での希望と。一生懸命つくったものが、これからの時代を生きる若い世代に届いていないって、ほんとうにつらいし、きつい。まだまだ、テレビにはできることがあるはずだ。テレビ関係者の、奮起を期待します」
と、期待を込めつつ記事を結んでいる。
ツイッターでは読者から、「さんま知らないとかその中学生がおかしいだろ」といった声が上がる反面、「さんまはもう還暦とっくに過ぎてるから中学生からしたら祖父世代。それって1990年代の中学生に『渥美清を知ってる人!』と聞いてるようなもんだよね」との冷静な声も見られた。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)