「とにかく笑える楽しい話です」
礒崎さんは、シリーズの概要について
「天才執事のジーヴスが、極楽とんぼみたいな主人バーティーのピンチを助ける展開です」
と説明。「探偵本」というよりは、「世界最高のユーモア小説」と評されているそうで、実際、数々の事件やトラブルでも「人が死んだりする暗い話は出てきません。とにかく笑える楽しい話です」。
また、イギリス本国では、ジーヴス・シリーズはシャーロック・ホームズに並ぶほどの知名度があり、作者のウッドハウスは国民的作家として今でも人気があるという。エリザベス女王の母(故人)が生前に愛読していたことや、トニー・ブレア元英国首相が作品のファンであることも、よく知られたエピソードだそうだ。
「日本でいえば、司馬遼太郎や松本清張といったイメージでしょうか」
最後に、まだ読んだことがない人へのメッセージを質問すると、
「読むと人生が楽しくなる話ですよ」
と勧めていた。
ジーヴス・シリーズは、翻訳書以外にも『プリーズ、ジーヴス』(白泉社)などのタイトルで漫画化されている。
今回、国内では必ずしも有名ではない英国作家の作品の名前に触れられた皇后さまだが、大学の卒論では1932年にノーベル文学賞を受賞した英国作家のジョン・ゴールズワージー(1867~1933年)を取り上げられたエピソードが知られている。