『ガラスの仮面』などで知られる漫画家・美内すずえさんの物だとして古書店のオークションに出品される予定だったスケッチ・絵日記合計13点が、出品取り下げとなった。
これらの品は、美内さん自身が「まったくの偽物」と自身の物ではないことをツイッターで伝えていた。オークションを主催する古書店はJ-CASTニュースの取材に「真贋を確かめていなかった」と話した。
「最近、このような偽物が多く、困っています」
「偽物」発覚の発端は2018年10月22日、東京・神保町のある古書店のツイッターが、「古本まつり期間中に東京堂書店でオークションが開かれるんでカタログを見ていたら、ジョルジュ・バルビエとかの絵画に混じって、美内すずえの小学生時代の絵日記があった」と投稿したことだ。
同時に投稿されたカタログページの写真には、美内さんが小学2年生当時に描いた物だとして、スケッチ8枚と絵日記5冊の合計13点がセットで出品されることが、現物写真とともに掲載されている。スケッチのうち2枚にはサインとタイトルが入っているという。価格は6万~15万円と記載がある。
この投稿に美内さんがツイッターで反応した。23日、
「美内すずえ本人です。以下の絵日記は。まったくの偽物です。手を出さないで下さい。最近、このような偽物が多く、困っています。私は自分の子供時代の絵や、漫画作品を売りに出したりしません。皆さん、相手にしないで下さい」
と、自身が描いた物ではないことを伝えながら、購入しないよう呼びかけたのだ。別の投稿でも「ビックリです! まったくのデタラメです。よくこんな詐欺みたいなことをしますね。皆さん、手を出さないで下さいね!」と不快感を示していた。
すると美内さんの投稿に、神保町の古書店「夏目書房(ボヘミアンズ・ギルド)」のツイッターが返信を寄せた。「この度は大変ご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございません」と謝罪し、
「この品物はお客様からお預かりしたものですが、真贋の判断できずそのまま出品してしまいました。ただちに出品を取り下げ、当オークションサイトでもこの旨 公表・周知させて頂きます」
と出品を取り下げることを表明。公式サイト上からも当該品については削除したという。さらに
「美内先生には大変ご迷惑をおかけいたしまして大変申し訳ございません。こころよりお詫び申し上げます。今後同じようなことのないよう精進してまいります」
と再度謝罪と再発防止について投稿している。