クレーム恐れる会社...成り手不足の原因にも
受付簿の写真投稿は、10月23日正午現在で、「いいね」が1万件以上も寄せられている。
運転士への共感の声は多く、「駆け込み乗車が許されたら、言えば何とかなるとつけあがる」「事故に繋がるので乗せなくていい」「こういう人達がいっぱいいるからバスは遅れる」「バスを安全に運行することが運転士の仕事で 苦情を収めお客に理解していただくのは会社の仕事」といった反応があった。
一方で、「いつも乗るバスのほとんどの運転手さんは、走っていくと10秒くらいは待ってくれます」「1時間に1本以下なら、1分くらいは待ってあげてもいい」との意見も出ていた。
投稿者の「社会不適合者の路線バス運転士」さんは、J-CASTニュースの取材に対し、23日までに当日の状況について説明した。
それによると、ドアが閉まるときには、中ドア付近に誰もいなかったといい、クレーム主は、動き始めたバスの前ドアを叩いてきたそうだ。
駆け込み乗車を待つか待たないかについては、「明確な基準がある訳ではないので『運転士の裁量による』としか言いようがありません」という。運転士自身は、本数が少ない路線であったり、ダイヤ的に余裕があったりしたときなどは、融通を利かせるとした。
ただ、運転士は、バス停で待っている乗客のことを考え、「できるだけ定時運転を心がけています」とする。駆け込み乗車をしようとした乗客が運転士に気付かれず、死亡事故に発展したケースも聞いているとして、こう訴えた。
「そう言った事故が数多く存在していることを事業者は知りつつクレームを恐れ、事故防止を運転士の自助努力に任せているのが多いのが現状だと思います。バス運転士の成り手不足・離職率の高さが問題になっていますが、長時間労働・低賃金の他にクレームも大きな要因であると思います」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)