アルバレスを軸に巨額ファイトマネーが動くミドル級戦線
アルバレスは今月、動画配信サービス「DAZN(ダ・ゾーン)」と3億6500万ドル(約410億円)の超大型契約を結んだ。5年間で11試合を行う契約で、スポーツ選手が結んだ契約では史上最高額となる。
チケットなどの興行収入を考慮すると、アルバレスの1試合のファイトマネーは最低でも40億円を超える。そのアルバレスへの「挑戦権」を得るためにはベルトの他に米国での知名度、人気、実績が必要である。むしろ、ベルトよりも人気が優先されるだろう。
アルバレスとの対戦にこぎつければ、ファイトマネー10億円超えも夢ではない。村田はその「挑戦権」を失ったばかりか、ミドル級戦線からも離脱した。ブラントに勝利すれば、ゴロフキンとの東京ドーム決戦の可能性もあっただけに、失ったものの大きさは計り知れない。
ブラントとの再戦に関して村田は「再戦を要求するような内容じゃなかったと思いますし、完敗だったので、それはボクの都合で言えることじゃない。そこは言及する必要はないかなと」と話すにとどまったが、再戦に前向きなのがプロモーターのボブ・アラム氏だ。
村田とブラントの再戦の契約があるとして、アラム氏は来春の日本での再戦を示唆。本人の意志を棚に上げ、再戦に向けて日米メディアに猛烈アピールした。
アルバレスは、元世界王者オスカー・デラホーヤ氏のゴールデンボーイプロモショーンと契約している。アラム氏とデラホーヤ氏は長年にわたってライバル関係にあり、犬猿の仲ともいわれている。
アルバレスが結んだ「DAZN」との契約によって、デラホーヤ氏により大きな差を付けられたアラム氏だけに、ミドル級戦線に復活する目のある村田をやすやすと引退させる可能性は低い。