「国が統一ルールを作り、民間企業に協力を求めるしかない」との指摘
だが、各市町村だけで一時滞在施設を十分に確保するのは実際には難しく、「国が、施設整備に関わる統一ルールを作り、民間企業に協力を求めるしかない」(別の防災専門家)といった指摘は当然だろう。
施設というハードだけではない。東京都は、外国人のための防災訓練を行ったり、外国人旅行者用の防災リーフレットや日本人に支援を求めたりする場合の会話集などをまとめた「ヘルプカード」を作るなど、ソフト面の対応に努めてはいる。ただ、逆に「やっているのはその程度」(防災関係者)というレベルともいえる。
2017年の外国人旅行者は2800万人を超え、過去最高を更新した。災害時の外国人対応の備えは急務といえる。
「国をあげて、外国人をどんどん増やそうという政策を必死に進めているのに、いざという時は、彼らを守るために誰も責任をとらないというのが日本の現実。東京五輪の開催中に大地震やスーパー台風が起きたら、どんな状況になるか想像するのも恐ろしい」と、ある防災関係者は話している。