単純にEVを拡大する戦略はとらない
マツダは2017年、トヨタとEV技術を共同開発する新会社を設立したが、今回の20年に発売するEVは、トヨタとは別。トヨタとの協業の成果は20年以降の製品開発に生かす方針だが、トヨタもREには注目しているという。
REはガソリンだけでなく気体燃料とも相性がよいエンジンだからだ。ピストンの往復運動と異なり、REは燃料噴出の空間と燃料燃焼の空間が異なり、安全性を高く保ちやすいので、トヨタが開発を進める水素を燃料とする燃料電池車(FCV)でREの技術が生かせるとの期待がある。さらに、車以外でも、プロパン(LPG)を燃料とする家庭用の発電機としても活用できる可能性が指摘されている。
車に話を戻せば、マツダは、単純にEVを拡大する戦略はとらない。「(内燃機関技術の強みをいかす)従来戦略から変更はない」(丸本社長)として、ガソリンやディーゼルエンジンの駆動機構を、モーターや電池を使って効率化し、環境規制などに対応することに主眼を置いている。このマツダの戦略が通用するか、REが成否のカギを握っているといえそうだ。