TBS番組に石垣市議会が抗議文 「希少生物の乱獲誘発」...局「深く反省、真摯に受け止める」

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   TBS系の番組「ジョブチューン~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!」で、希少生物の乱獲を助長する内容があったとの指摘を受けたとして、同社は2018年10月19日、J-CASTニュースの取材に「自然環境や生きものへの配慮を欠いたことを深く反省しております」とコメントした。

   番組をめぐっては、ロケ地となった沖縄県石垣市議会が「到底看過できるものではなくTBSの放送姿勢には強い憤りを覚える」として、TBS宛てに抗議文を送付していた。

  • 番組公式サイトより
    番組公式サイトより
  • 番組公式サイトより

総額30万円相当の希少生物を捕獲。

   問題視されているのは、9月8日の放送回だ。「日本のスゴ腕ハンターに密着!幻の食材&生物ガチで捕ったSP」と題し、ハンティングを生業とする複数の人物を取材している。

   その中の一人、"珍生物ハンター"中岡裕普(ひろゆき)氏は、番組スタッフとともに沖縄県の石垣島と与那国島でロケを敢行した。中岡氏は、希少動物の捕獲・販売に携わっているという。

   ロケ地に選ばれた石垣島は「固有種の宝庫」「(島で捕れる)超貴重な生物が高額で取引」などと紹介され、それを裏付けるように地域固有種のクワガタやトカゲ、ヘビが次々と中岡氏によって捕獲されていった。

「例年であれば100匹以上捕獲でき、20万円以上の売上がある」
「絶滅も危惧されるまさに幻のヘビ。一体のお値段はなんと10万円」

と、捕獲のコツの解説とともに売値が提示された生き物もいた。

   結局、5日間のロケで約30万円に相当する43種類を捕獲したと伝えている。

「市民の思いを踏みにじる実に下劣な行為」

   石垣市自然環境保全条例では、保護が必要とされる動物は「保全種」に指定され、市内での捕獲は原則禁止されている。

   石垣市市民保健部環境課が10月3日、先の番組を受けて公式サイトに掲載した「石垣島の野生生物の採取について」によれば、保全種に指定されていない場合でも「絶滅の危機に瀕している動植物は数多く存在しており、石垣島に生息する多くの種が島内の生態系の構築に重要な役割を担っています」とある。

   10月17日には番組に対する「抗議決議案」と「意見書案」が石垣市議会に提出され、全会一致で採決された。

   「抗議決議」では、TBS、放送倫理番組向上機構(BPO)宛てに、

「市の希少な生物を売買目的で捕獲し、その時価相場や、そのような市場があるかの如く放送がなされた。このような放送は視聴者へ誤ったメッセージを与え、石垣島へ希少生物の捕獲目的での来島を誘発するおそれがあり、生物の乱獲、生態系の崩壊にも繋がりかねず、(中略)共存してきた石垣市民の思いを踏みにじる実に下劣な行為であり、到底看過できるものではなくTBSの放送姿勢には強い憤りを覚える」

とTBSを強く非難。厳重に抗議するとしている。

   「意見書」では総務大臣、環境大臣に対し、今後このような放送が無いよう指導・監督を求めている。

   石垣市議会事務局の担当者は、J-CASTニュースの取材に「いずれも10月19日付で送付した」と話す。

TBS「自然環境や生きものへの配慮を欠いたことを深く反省」

   TBSは、抗議をどう受け止めているのか。同社広報部は10月19日、J-CASTニュースの取材に、

「『絶滅危惧種や希少な生物の乱獲を助長するのではないか』という皆様のご意見をいただきました。自然環境や生きものへの配慮を欠いたことを深く反省しております。決議を真摯に受け止め、今後の番組作りに生かしていきたいと考えております」

と回答した。

姉妹サイト