ボクシングの元世界王者フロイド・メイウェザー・ジュニア氏が2018年10月17日(日本時間18日)、総合格闘家のUFCライト級王者ハビブ・ヌルマゴメドフ選手(ロシア)と対戦する意向を明らかにした。
米サイトTMZ Sportsのインタビューに答えたもので、開催時期などは未定だが、メイウェザー氏はボクシングルールによって試合を行うと主張した。
米国ではケーブルテレビのPPVシステムが定着
総合格闘技で無敵を誇るヌルマゴメドフ選手は10月7日にラスベガスで元UFC2階級王者のコナー・マクレガー選手(アイルランド)を4回一本勝ちし、デビュー以来の連勝を27に伸ばした。
頂上決戦を制したヌルマゴメドフ選手は、「フロイド、やろうぜ。50戦無敗と27戦無敗。今やろうぜ」と、昨17年8月にマクレガー選手を破ったメイウェザー氏にSNSを通じて対戦を呼びかけていた。
メイウェザー氏はすでに41歳とピークは越えているが、ボクシングルールでの試合ならば、ボクシング経験のない30歳のヌルマゴメドフ選手は相手にならないだろう。だが、昨年のメイウェザーVSマクレガー戦同様に全米の注目を集める可能性は高い。
マクレガー選手もヌルマゴメドフ選手同様にボクシング経験がなく、ボクシングルールで行われる一戦は、戦前からメイウェザー氏の圧勝が予想されていた。にもかかわらず、ボクシングの無敗王者と最強の総合格闘家の試合は全米の注目を集めた。
試合の模様を放送したテレビのペイ・パー・ビュー(PPV)売り上げは、歴代2位の430万件で、チケット収入は5540万ドルを記録。1億ドル(約110億円)のファイトマネーにPPVの歩合収益等の興行収入を加えてメイウェザー氏は2億7500万ドル(約300億円)、10回TKO負けしたマクレガー選手は8500万ドル(約95億円)を手にした。
正式なボクシングの試合として対戦するには、ヌルマゴメドフ選手が試合の行われる州のボクシングライセンスを取得しなければならない。ラスベガスで行われた昨年の場合、マクレガー選手はネバダ州のライセンスを取得した上で、正式な試合として認可された。
常に金持ちをアピールし、「Money」(マネー)の愛称を持つメイウェザー氏は、「ハビブと対戦すれば、9桁稼げる。マクレガー戦よりも大きな額だ。(ファイトマネーは)おそらく1億ドル(約112億円)以上は保証される。1億1000万ドル(約123億円)から2億ドル(約225億円)くらいになるかもしれない」とマネーの本領を発揮。
ボクサーがこのような巨額なファイトマネーが得られるのは、米国にケーブルテレビのPPVシステムが定着していることが大きな要因となる。試合のレベルによって料金は異なるが、メイウェザーVSマクレガー戦は約1万円で売り出された。
ボクサーが手にする報酬は、ファイトマネー、PPVの売り上げ、チケットの売り上げによる興行収入である。プロモーターがこれらを選手に分配する。メイウェザーVSマクレガー戦はPPVの売り上げだけでも約430億円となっている。