タイトルにこめられたメッセージ
鈴木氏は、「獣になれない私たち」というタイトルには同作の神髄がよく表れていると指摘する。
「『獣になれない』という部分が非常に重要です。今後も主人公の職場への要望は通りそうにありませんが、それでも主人公は職場への勤務を続ける、つまり、『獣にならずに会社に従う』のです。何とも後ろ向きな姿ですが、この姿を見ることで視聴者は『私も変われなくていいんだ!』『変われないのは自分だけじゃないんだ! みんなも変われないんだ!』と、安堵感を得ることができます。安堵感には大きなストレス解消効果がありますから、多くの人がこのドラマに救われているはずです」
今後の展開については、
「現時点では見ていてつらい状況でも、ドラマである以上、今後は明るい展開になっていく可能性はあるわけです。これは、現状に不満があり、今後は良いことが起こることを期待している人にとっては、自分の姿を重ねるにはちょうど良いのです。ゆえに、そのような人は自分を重ねてついつい見てしまうのです」
と分析した。
作中の新垣さんの姿はドラマを視聴する多くの人々の疲れを癒しているようだ。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)