パ・リーグCSファイナルステージが2018年10月17日、メットライフドーム(埼玉・所沢市)で行われ、西武の先発・菊池雄星投手がソフトバンク打線の前に5回9安打6失点で敗れた。中指に血マメができた影響から制球が定まらず、4回に一挙5点を許し5回104球で降板した。エースとして託されたCSファイナルステージの初戦。苦手のソフトバンクにまたしてもやられた。プロ入りしてから8年間、菊池はソフトバンク相手に白星がなかった。9年目の今年9月28日、19度目の挑戦でようやくソフトバンクから初白星をあげたばかりだった。
悲願の日本一へ初戦でつまずいてしまったが、海の向こうでの菊池の評価に変わりはない。来季、ポスティングによるメジャー移籍が決定的な菊池を早くも米国のメディアが取り上げている。
田中、セベリーノに続くヤンキース4番手
ニュージャージー州最大のニュースサイト「NJ.com」は、ヤンキース特集の中で、来季のヤンキースの先発ローテンションを予想。記事では移籍の可能性のある海外選手を含む25人が候補に挙がっており、菊池はその中の一人としてピックアップされている。
予想では、今季、ローテンションの一角を担い活躍した田中将大投手、ルイス・セベリーノ投手らのローテンション入りは確実視され、菊池はこれに続く「4番手」となっている。菊池のメジャー挑戦は正式発表されていないが、すでに米メディアはヤンキースが菊池をスカウティングしていると報じている。
複数のメジャー球団が菊池獲得へ動くと予想される中、J-CASTニュースは18日、メジャーの現役スカウトに話を聞いた。
「メジャーのほとんどの球団がすでに菊池の調査は終わっている。ヤンキースは菊池が左肩に不安を抱えていることも分かっているはずだし、コントロールがよくないことも知っている。1年を通してローテンションを守れるかは未知数だが、左投手で160キロ近いストレート投げるのは大きな魅力」
ヤンキースが菊池をローテンションの一角として迎える場合、年俸はどれほどになるのか。前出のメジャースカウトは「井川のものがひとつの目安となる。ただ、ヤンキースは井川で失敗しているから慎重になると思う」と話した。
阪神・井川のケースとの関係
井川慶氏は、茨城・水戸商高を卒業し、ドラフト2位で阪神入り。左の本格派としてプロ8年間で85勝をマークした。一方の菊池投手は岩手・花巻東高から西武入り。プロ1年目は2軍で過ごしたが、2年目から1軍のマウンドに上がり、通算73勝をあげている。
2006年のオフにポスティングによるメジャー移籍を表明した井川氏に対して、ヤンキースは2600万194ドル(約30億円)で独占交渉権を獲得し、同年12月に5年2000万ドル(約23億円)プラス出来高で正式契約を結んだ。
ヤンキースは井川氏の日本での実績を考慮し、ローテンションの4番手として起用した。だが、井川氏は制球難に苦しみ、ヤンキース在籍2年間で通算2勝4敗と、結果を残すことが出来なかった。
井川氏の前例があるだけに、制球に難のある菊池投手をヤンキースがどう評価するかは微妙なところだが、米メディアの予想通りにローテンションの4番手を任されるとすれば、井川氏とほぼ同様の4億円以上の年俸が予想される。