女性と高齢男性は正午ごろに自殺する人が多い
――若者より、中高年男性に強く影響が出るのは、会社で管理職などの重責を担っているからですか。
上田さん「それもありますが、中小企業の経営者もかなり含まれていると思います。女性が景気の影響を受けないのは、一家の大黒柱というプレッシャーを男性だけが主に受けるからだと思います」
――働く男性が朝に自殺し、女性や高齢男性が昼間に自殺するケースが多いと、時間差があるのはなぜですか。
上田さん「働く男性は通勤途中の飛び込みが多いかと思ったら、朝、首つりで亡くなる方が非常に多かったのです。おそらく真夜中から悩み続け、家族がまだ起きる前に自宅で自らの命を絶っているのだと思います。女性や高齢男性が昼間に多いのは、家の中にほかに誰もいない時間帯だからでしょう」
――ということは、悩んで自殺しそうな人がいたら、一人にしてはいけないということですね。
上田さん「そのとおりです。ぜひ、見守りを続けてください。私たちは自殺が起こりやすい時間帯を明らかにしました。これまで自殺予防の命の電話は真夜中に受け付けるケースが多いのですが、早朝の時間帯もぜひ増やしてほしいです」
(J-CASTニュース編集部 福田和郎)