中国の金融緩和策
急落第2波が10月11日だった。これには人民元不安という、資生堂株にとって新たな悪材料が加わっていた。前日安値(7752円)より当日高値(7500円)が252円も安い「窓をあける」急落となり、一時前日終値比636円(8.1%)安、終値は前日比521円(6.6%)安の7317円だった。中国人民銀行は7日、金融緩和策を打ち出した。市中銀行から強制的に預かる預金の比率(預金準備率)の引き下げを発表したのだ。ただ、これはドル高・人民元安を引き寄せるもので、実際そうなり、8日に人民元は1年7か月ぶりの安値をつけた。
日本における「円安・ドル高」は輸出産業への恩恵がクローズアップされ、どちらかというと歓迎ムードだ。中国における人民元安もそういう面がないわけではないが、物価高による景気減速など人民元安による副作用が懸念されるため、中国経済の先行き不安が生じてしまう。不安が現実となればインバウンド需要に影響を与えることになり、その警戒からなお割高感のある資生堂株は軟調な展開となりやすい。ただでさえ世界的な株安という逆風の中、資生堂株が反転上昇に向かうには相当な材料が必要となりそうだ。