「YouTubeが陥ちました、人類文明の崩壊に備えましょう」――米国のニュースサイト「A.V. Club」は、こんな刺激的な見出しでこの「事件」を伝えた。
世界最大の動画サービス・YouTubeが2018年10月17日午前(日本時間)から一時的にダウンした。その後、運営チームは12時ごろ復旧を伝えたものの、この間、日本はもちろん、世界中から悲鳴が上がった。
米国人「コーヒーを飲もう」英国人「寝るしかない」
YouTubeがつながらない――こうした報告が相次ぎ始めたのは日本時間17日10時ごろだ。YouTubeの公式アカウントの一つ「Team YouTube」(@TeamYouTube)は10時41分、問題が発生していることを報告し、解決に向かって動いていることをアナウンスした。
この間、YouTubeにアクセスすると、動画のサムネイルがすべて灰色になって表示されず、サイトのロゴのみが掲載される、あるいはクリックしても正常に動画が再生されない、といった状態となっていた。同様の症状はYouTubeが本拠を置く米国をはじめ、世界中で報告された。
「動画が見られない!」。このショックに、世界のユーザーの心は一つになった。各国のメディアも大きく取り上げ、たとえば米ニューズウィークは、
「非常に不快に思うかもしれませんが、今、あなたができることは何もありません。(中略)Netflixを開いて、コーヒーでも飲んでみてはどうでしょうか」
とユーモアを交えて解説、また英ザ・サンは、一般ユーザーのツイートを引いて、
「今は寝るしかありません」
と呼びかけた。
世界がいかにYouTubeに頼っていたか
もちろん日本においても、多くのメディアが速報扱いで伝え、ツイッターで多くつぶやかれた言葉を集計する「Yahoo!リアルタイム検索」の上位が関連するキーワードで占められるなど、大騒ぎに。
冒頭に紹介した「A.V. Club」の記事は、懐かしのテレビ番組の主題歌探しから、子どもたちをあやすための「ベビーシッター」まで、「私たちの一日は、多くをYouTubeに頼っている」として、だからこそYouTubeの消滅は、「人類文明の崩壊」を意味する、と皮肉っている。
17日12時過ぎ、YouTubeは「Team YouTube」のアカウントを通じ、サイトの復旧を報告、「文明崩壊」は幸いにして免れることとなった。わずか2時間ではあったが、今回の出来事はYouTubeが世界に持つ影響力を改めて証明した。