16歳の若さで自殺したアイドルグループ「愛(え)の葉Girls」の大本萌景(ほのか)さんの母親、幸栄(ゆきえ)さん(42)が、ツイッター上で切々と娘への思いをつづって反響を集めている。
「ママはどこに行けば萌景に会える?教えて!今度萌景に会ったら絶対貴方の側を離れない」。萌景さんが愛媛県松山市内の自宅で自殺して1週間ほどした2018年3月28日、母親の幸栄さんは、こんな悲痛な思いをツイッターにぶつけた。
アイドルの母「ちゃんと学校に行ける環境だったら...」
萌景さんが自ら命を絶ったのは3月21日。母親の幸栄さんら遺族の心の傷は癒えず、幸栄さんは、その思いをツイッターで度々つづってきた。
5月16日には、「あのままちゃんと通信通ってたら萌景は高校2年生だったのにね。あの日あの時ちゃんと学校に行ける環境だったら...」と振り返り、同月31日には、「何をしてても頭の中は萌景、萌景、萌景、萌景で何も集中出来ない!涙が出る!楽しくない!」と嘆いた。
そして、幸栄さんらは10月11日、代理人の弁護士とともに記者会見を開き、事務所などを相手取り、約9200万円の損害賠償を求めて翌12日に松山地裁に提訴することを明らかにした。これに対し、事務所社長は、マスコミ取材に対し、遺族側が主張するパワハラや1億円の支払い要求の事実を否定し、争う構えを示している。
幸栄さんのツイッターには、会見後に激励のリプライが殺到し、幸栄さんは12日にツイッターでお礼の言葉を述べた。
高橋まつりさん母からもリプライが
激励の中には、2015年に24歳の若さで過労死自殺した電通新入社員の高橋まつりさんの母親、幸美さんからのツイートもあった。
幸美さんは、「幸栄様 ほのかさんに会えなくなって半年間 気の遠くなる様な時間を過ごされたと思います」といたわり、「幸せになるために努力した娘たち 夢みてた未来 娘たちの生きた軌跡を消さないために 闘いましょう」と呼びかけた。
これに対し、大本幸栄さんは、「娘さんのお名前は勿論存じ上げておりましたが暖かいお言葉を頂けると思っておりませんでした」「まだ始まったばかりですが家族で前に進めるよう闘いたいと思っております。ありがとうございます」と返信をツイートした。
萌景さんの弁護団に加わっている望月宣武弁護士は、ツイッター上で幸栄さんと幸美さんとのやり取りを喜び、「芸能界とアイドルの働き方改革のきっかけにしたい」として幸美さんにも協力を求めた。弁護団の佐藤大和弁護士も、芸能界のルール作りのため行政などにも訴えていきたいとツイートしていた。
なお、弁護団は、手弁当で参加しているといい、活動費用を賄うためにクラウドファンディングサイト「リーガルファンディング」で300万円を目標に資金を募っており、16日夕現在でその半分ほどが集まっている。