「個の力で崩すことが求められる」
一方、攻撃陣には少なくなると見込まれる決定機をゴールに沈める力が試される。ウルグアイは伝統的に堅い守備がベースにあり、一瞬のカウンターで仕留めるチーム。今回もW杯主力のGKフェルナンド・ムスレラ(32)、DFディエゴ・ゴディン(32)、DFマルティン・カセレス(31)ら、経験豊富で屈強な守備陣がそろう。
攻撃のポイントについて、元日本代表の鈴木隆行氏は16日のスポーツ報知記事で、ここ2戦で見せたパスワークをベースにしながらも、「ボールを奪ったらブロック(編注:守備の陣形)を作られる前に速い攻撃で得点を狙うことも必要だ」と速攻に1つの活路を見出した。また、「強豪相手では前線にサポートが少ないことが想定されるため、個の力で崩すことが求められる」と個々人の突破力に期待をかけた。
最注目の1人は10番を背負う中島翔哉だ。ボールを受けたらすかさずドリブルを仕掛ける姿勢は、9月のコスタリカ戦でも何度も見られた。
中島本人は11日放送の「報道ステーション」(テレビ朝日系)のインタビューで、「ドリブルは特に迷わないことが一番大事だと思う。結果的に間違った選択をしようとしても、突き通せば正解になることもある」とこだわりを明かしている。数的不利など、多少無茶と思える状況でも、相手の陣形が整う前に切り込んでいくことで「正解」を導けるか。
中島のドリブルは、それ自体も得点チャンスになり得るが、相手選手を引き付けてスペースを作り出す効果もある。代表2試合連続得点中の南野、逆サイドの堂安らの連動がカギとなる。または彼らに対し、ボランチの柴崎が、W杯のような長短織り交ぜたパス供給で存在感を放てるかも試される。ロシア組と新戦力の融合は、攻守双方において必要となる。