「星野イズムの継承者」矢野新監督 でも育成は「野村流」で行くべき?

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「勝ちながら育てる」に野村克也氏警鐘

   一方、金本監督が行ってきた若手育成法に関して、元阪神監督の野村克也氏が警鐘を鳴らす。

   2018年10月14日放送の「虎バン」(朝日放送)で、野村氏は「勝ちながら育てる。とんでもない。常勝阪神でもないのに」と、金本監督の方針を真っ向から否定。

   そしてさらに、「若手を起用してチームを変えていこうとしたんでしょうけど、若手を使えばいいというもんでもない。難しい阪神の監督は。経験を積ませて勝たせるのが正解でしょ。すべてが経験ですから。経験が一番の財産」と、持論を展開した。

   野村氏は1999年から3年間、阪神で指揮を執り、3年連続最下位の暗黒時代を経験。ただ、この3年間、野村氏は自身が見込んだ若手を我慢して使い続け、経験を積ませた。その結果、野村氏が退任した2年後、野村氏が使い続けた若手が中心となり、チームは18年ぶりのリーグ優勝を果たした。

   矢野監督も「野村チルドレン」のひとり。野村氏に正捕手として抜擢された1999年、100試合以上の出場を果たしたシーズンで初めて3割以上(3割4厘)の打率をマークした。

「ベンチで試合を見て、投手が首を振ったあとの配球の傾向などを覚える。そうすることで2割5分の選手が3割台に打率を引き上げることができる」

   野村氏から受けた投手の配球を研究することで3割超えを実現させ、正捕手の座をつかんだ。

   矢野監督は野村氏の指摘をどう受け取るのか。球団との正式な契約は明らかになっていないが、矢野監督の若さ、実績、そして今回、監督に要請をした背景を踏まえれば長期的な契約となることが予想される。

   矢野監督は野村氏の提言通り、「脱金本路線」で若手育成に取り掛かるのか。野村氏が蒔いた種が花を咲かせたのは5年後だった。矢野監督にはまだ多くの時間が残されている。

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