ドラフトの優先順位は? FA補強は?
このような中で10月25日にはドラフト会議が控えている。上位指名は「投手」か「野手」か。また、「即戦力」を優先するのか将来を見据えて「若手」を取るのか。現場スタッフを固め、来季の方針を打ち出すのが急務となる。
金本監督が推し進めていたドラフト戦略は、投手陣の補強だった。だが、ここにきて状況が一変したこともあり、本社、球団が推す大阪桐蔭高の根尾昴選手を1位指名する可能性も。球団と現場の意見の統制が急がれる。
補強もまた急務である。今季、貧打にあえいだ阪神は、FAで打線の軸となる選手を獲得したい。ここで浮上するのが、西武の浅村栄斗選手だ。地元大阪桐蔭高出身の27歳は、今季143試合にフル出場し、打率.298、32本塁打、127打点をマーク。球団はすでに調査に入っているが、チームの立て直しには必要不可欠な選手だ。
投手陣では、藤波晋太郎投手の再建が大きな課題となるが、コーチ人事は現時点では不透明である。金本監督の就任にともない2軍投手コーチから1軍コーチに昇格した香田勲男コーチ。金村曉投手コーチは、金本監督の声掛けでコーチに就任した経緯があり、同じような立場だった片岡コーチが辞任しているだけに、その去就が注目される。
これ以外にも1軍ヘッドコーチの人選など、チーム再建に多くの課題が残されるが、矢野2軍監督はそれらすべてを背負って来季、チームの指揮を執る覚悟だ。
「本当に悩んだんですけど、逃げてやらない後悔よりも、やってみるべきかなと思いました」
80年以上の長い球団の歴史の中で、最下位となって監督が交代した翌年にチームが優勝した例はなく、1950年、79年、2002年の4位が最高となっている。