「死後離婚」の言葉に「違和感」 あくまで「夫の親族との関係終了」なのに...

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中里弁護士「戦前の家制度を引きずっているのでは」

   違和感を覚えたのは、出演者や体験者だけではない。番組を見たと思われるユーザーからは、

「配偶者との縁じゃなくて、切るのはその親族だよ。全然違うよね意味合いが」
「死後離婚といえるのは復氏届?を出された方くらいではないか。 あとは姻族関係終了のがしっくりくる」
「いつ誰が使い始めたかわからないワード。『死後離婚』それなら使わない方がいいのでは」

   J-CASTニュースは15日、出演者の中里弁護士に「死後離婚」という言葉について、あらためて話を聞いた。中里弁護士は番組中で「(『死後離婚』という言葉に)違和感がある」と発言したことに対し、「それは本当にそう思います」と断言した。言葉の出どころや、使われ始めた時期については分からないとしながらも、「死後離婚」という言葉が使われている理由については、

「戦前の家制度を引きずっているのではないでしょうか。戦前の結婚は、夫と妻が結婚するというよりは、妻が夫の家に入るという認識が強かった。夫の家と別れる=離婚と同じ意味、ということではないでしょうか」

と推測した。続けて、「『死後離婚』の制度自体が、古い家制度のようなものですしね。そもそも妻は夫の親族の扶養義務を負ってないので、わざわざ姻族関係終了届を提出する必要はないです」と話した。

   J-CASTニュースが日経テレコンを使って記事検索をした範囲では、「死後離婚」という言葉が確認された最も古い記事は、1989年9月21日の北海道新聞のコラム「卓上四季」だった。ここでは、死んだ後は夫婦別々の墓に入りたいという心情を「一種の死後離婚願望」として表現しており、「復氏届」のニュアンスで使われている。一方、「夫の親族と縁を切る」という意味では、たとえば2016年12月30日の産経新聞(東京朝刊)「『死後離婚』急増 『介護不安』...配偶者の親と関係解消」などが確認できたが、いつごろまでさかのぼることができるのかは、はっきりしなかった。

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