旗のセンシティブさ、意識してなかった?
「帥字旗」はむしろ、韓国では1871年の「辛未洋擾」を象徴する旗として知られてきた。当時の朝鮮が、来航した米国船を撃沈したことへの報復として、米海軍が江華島を襲撃、守備軍を壊滅した事件である。その際に戦利品として持ち去られたのが、本陣に掲げられていた帥字旗だ。
その後、韓国側は「米国にある最も代表的な韓国略奪文化財」(中央日報、2007年5月7日付)とみなし返還を交渉、2007年に長期貸与という形で136年ぶりに「里帰り」した。こうした経緯を考えれば、日本だけでなく米国へのあてつけとも捉えられかねない(なお、米国は観艦式に参加したものの、市民団体のデモもあり、式典終了まで空母「ロナルド・レーガン」が入港できないトラブルに見舞われた)。どう転んでもセンシティブな旗だが、韓国政府が事前にどこまで配慮していたかは不明だ。
12日に外務省は抗議、これに対する韓国の正式な回答はまだ明らかになっていないが、共同通信は13日、「韓国海軍当局者」の話として、「国旗のみ」の要請は外国艦船のみなので、帥字旗の掲揚は問題ない、との見方を伝えている。