前東京都知事の舛添要一氏が2018年10月13日放送の「ウェークアップ!ぷらす」(日本テレビ系)に出演し、築地市場から豊洲市場への移転をはじめ小池百合子知事の都政について批判と要望を展開したところ、キャスターの辛坊治郎氏に「『あなたが言うな!』と大抵の方は思うわけですが...」と質問される場面があった。
舛添氏は政治資金の公私混同問題で16年に辞職したが、今なおインターネット上などで舛添氏自身が批判を浴び続けている。辛坊氏の直言にどう答えたのか。
「(小池知事は)全部ケチをつけた」
舛添氏は知事時代に豊洲市場の安全宣言を行い16年11月に開場すると決定したが、自身の公私混同問題の追及を受け、開場を待たずして16年6月に辞職。後を継いだ小池知事が、地下水問題などを理由に開場を2年延期した経緯がある。
そして11日に豊洲市場が開場したが、舛添氏は「ウェークアップ!ぷらす」で問題点を指摘。築地と豊洲を結ぶ環状2号線の整備について、「選手村と都心を結ぶもので、これがあるから東京五輪ができる。だから五輪にも迷惑がかかる。それと、実は私はここで自動運転を世界で初めてやろうと思っていたんです。いろんな夢がつぶれてきた」と述べた。
そこで辛坊氏が「この2年間の小池都政を見てきてどうですか?」と聞くと、舛添氏は
「あのね、壊すことは得意です。だけど今の豊洲や、五輪競技施設。五輪組織委員会の森(喜朗)さんと私は、相当コストダウンしていろいろ決めたのに、(小池知事は)全部ケチをつけた。でもやってみたら全然変わってない」
と批判を展開。さらに、
「新しいものを作っていくのが得意ではないんじゃないか。保育園を都庁や公園の中につくるとか、私が全部それをやったんだけど、そういうキチンとしたもの、やってますか? 行政は形あるものを成果として残すこと。それがちょっと足りないので、残された任期はぜひ壊すことより作ることをやっていただきたいと思います」
と自身の知事時代を引き合いに出しながら、要望を述べた。
こうした発言を受け、辛坊氏は苦笑いしながら、
「私は舛添さんが仰っていることは概ねその通りだと思いますが、しかし舛添さんがいくら言っても、『あなたが言うな!』と大抵の方は思うわけですが...」
と問いかけた。
「『本当はこうですよ』と言う義務がある」
舛添氏をめぐっては、政治とカネの問題が16年3月に浮上した後、都議会やメディアが連日追及。批判は約3か月に渡り、当初頑なに辞職を拒んでいた舛添氏だったが、同6月に都知事不信任決議案が提出され、辞職した。
政治資金で絵画や掛け軸を買うなど一連の疑惑を受け、「ケチ」「セコい」といった強烈なイメージが広がることになった舛添氏。それから約2年半が経ち、今回の豊洲市場開場にあたって連日メディアに出演しているが、意見を述べるとツイッターなどでは「舛添さん お前が言うなって」「つべこべ言える立場か?」といった声が今なおあがる。
そんな舛添氏は番組で、辛坊氏の問いかけに対し、
「それはもうしっかりと反省すべきはして、しかし私は都知事時代のいろんな情報を持っていますから、国民にしっかり、『本当はこうですよ』と言う義務がある。なので、ここに出てきて申し上げているということです。『充電』の日々を送ってきました」
と答えていた。「今後、政治は?」と政界再進出について問われると、「心身ともに現役で若いですから、いろんなことに挑戦してみたいと思っています」と話していた。