台風の接近に伴う鉄道の計画運休について、利用者への「配慮」を繰り返し求めた高齢男性の新聞投書が、インターネット上で波紋を広げている。2018年10月10日の京都新聞朝刊に掲載されたものだ。
タイトルは「計画運休 早い決断に疑問」。投書の主は滋賀県に住む92歳の男性で、台風に備えて早期の運休を決めた鉄道各社の判断を「かなり先走った感があった」と批判している。
「安全第一ですが、市民の生活も...」
9月30日から翌1日にかけて列島を縦断した台風24号。首都圏では初の試みとなったJR東日本をはじめ、全国各地の鉄道会社が計画運休を実施した。投書を寄せた男性の住む滋賀県内でも、JR西日本・東海などが事前の運休を決めている。
こうした状況を受けてか、投書ではまず、最近「なぜ?」と疑問に思うことがあると切り出し、その例として「JRや私鉄など交通機関の計画運休」を挙げる。安全を考えた判断だとは思う、などと理解を示しつつも、
「台風の位置や規模などから見て、かなり先走った感があるのはどうかと思います」
とチクリ。「あまり先走り過ぎると、利用者に迷惑がかかります」とも続けた。
さらに男性は、百貨店などが台風の影響を鑑みて臨時休業したり、閉店時間を早めたりすることにも疑問を投げかける。こうした対応は来店客のためなのか、それとも従業員の安全確保のための判断なのかが気になるとして、
「いずれにしても、利用者への配慮を忘れないでほしい」
と注文をつけたのだ。さらに投書の末尾では、
「安全第一ですが、市民の生活も大切であることを忘れないでほしいと思います」
とも。確かに「安全」について理解は示しているが、やはり全体としては台風に備えた企業の対応に不満気な様子である。