「最近、知恩院が攻めてるな」「どうしたんや?」―――そんな声がツイッターで相次いでいる。
知恩院が2018年11月2日~12月2日の間に開催する「秋のライトアップ2018」のサイト。お坊さんたちがそろってジャンプしたり、観音菩薩のイラストの頭から光が放射されていたり...「静かで厳格」なイメージの知恩院に何が起きているのだろうか。
年々ラフになる、ライトアップのサイト
サイトでは「お坊さんに会いに行こう!知恩院 秋のライトアップ2018」の文字の上に、5人の僧侶が満面の笑みで手を繋ぎジャンプしている。観音菩薩のイラストの頭部からは光が放たれ、サイト全体をライトアップしているかのようだ。今年初の試み、インスタグラム企画も行うといい、僧侶が仲間と自撮りする姿が公開されている。
J-CASTニュースは10月11日、知恩院の僧侶でライトアップを担当している磯部孝造さん(34)に取材した。
ライトアップは春と秋、年に2回行われる。秋のライトアップは2001年から行っており、磯部さんは2016年から担当している。
2016年春には「極楽と天国の違い」「お参りの心構え」などを話す「お坊さんのおはなし」を始め、続く秋のライトアップでは、僧侶の写真も載せ始めた。
サイトは記者が確認した限りでは、2012年まで遡ることができた。2012年は、ライトアップされた寺の敷地内の様子のみだが、2016年に上記のような試みが始まり親しみやすさが増している。2017年では僧侶と私服の一般客と思われる人が肩を組み、僧侶が先頭に立って一般客と「電車ごっこ」をしているような姿も見受けられた。
「若い人も来やすいように、敷居をなるべく下げる」
こうした知恩院のイメージを打ち破るような「攻め」の姿勢に、ツイッターでは、「静かで厳格なイメージだったんだけどw」、「うーなんかこれ知恩院の雰囲気ぢゃない...。まぁいいけど」と言った声があがっている。
磯部さんによると知恩院の中でも、ストレートな批判こそないが、「大丈夫か?」といった不安の声はあったという。それらを踏まえたうえで、磯部さんは、
「若い人も来やすいように敷居をなるべく下げて、来てもらったら仏教にまつわるお話を聞いてもらい、信仰の大切な部分を感じ取ってもらいたいです」
と話している。磯部さんは、気軽に行って僧侶の話が聞けるということを「強みにしたい」と意気込んだ。
2017年からはプロモーションビデオの作成を始めた。2018年から始めたインスタグラム企画では、「#ナムい」というハッシュタグをつけてライトアップの様子を投稿すると、何かが起こるという。何が起きるかは10月末ごろに発表する予定だ。