オーナー辞任で急浮上 掛布監督の現実味
球団は、矢野2軍監督が1軍監督の就任要請を固辞した場合の次なる候補者として、掛布雅之氏と岡田彰布氏の2人に絞っているようだ。いまだ絶大なる人気を誇る掛布氏と1軍監督として実績十分の岡田氏。矢野2軍監督の1軍監督就任への不安要素が噴出している今、掛布氏と岡田氏の監督就任の可能性の目が出てきた。
今季、甲子園での阪神主催試合の入場者数は289万8976人だった。3年ぶりに290万人を下回った。親会社の阪神電鉄、球団にとって深刻な問題で、「客を呼べる」ことも監督選択の重要な基準となってくる。
掛布氏は2軍監督当時、本拠地の鳴尾浜球場が連日、満員札止めとなるほどの動員力を誇った。関連グッズは飛ぶように売れ、球団に大きく貢献した。1軍での監督経験こそないが、球団は掛布氏の若手育成を高く評価している。
また、坂井オーナーが辞任したことも掛布氏にとっては追い風になる。
これまで掛布氏が阪神の監督候補として何度も声が上がっていたにも関わらず実現しなかったのは、阪神のかつてのオーナーである故・久万俊二郎氏の意向が強く反映されていたという。
現役時代、飲酒運転で逮捕された掛布氏に対し、当時のオーナーであった久万氏は「私の目の黒いうちは、彼を絶対にウチの監督にはしない」と周囲にもらしていたという。
在阪スポーツ紙デスクは「オーナーが変わったことで掛布さんにも監督のチャンスが出てきた。10年間続いた坂井体制では、掛布さんは2軍監督になったが、坂井さんが久万さんの意志を継ぐような形で、結局、1軍監督になれなかった。来季いきなり優勝は無理でしょうから、新体制が期待するのは人気の回復。ファンも掛布監督を望んでいますから」と、掛布監督の可能性について言及した。
監督、オーナーの相次ぐ辞任で大きく揺れる阪神。掛布氏の一発逆転はあるのか。今後の球団の動向が注目される。