阪神・金本知憲監督が2018年10月11日、辞任を正式に発表した。2001年以来17年ぶりの最下位という結果を受けて責任を取る形の辞任だった。球団は次期監督として矢野燿大2軍監督に就任を要請する方針だが、矢野2軍監督が固辞する可能性が出てきた。
金本監督の辞任表明を待っていたかのように、坂井信也オーナーも10月11日、辞任を表明。監督、オーナーの相次ぐ辞任の異常事態に球団内部は統制がとれず大混乱しているという。
現場スタッフの総入れ替え 球団への不信感も
後任の選出が急務となる中、球団が出した答えは矢野2軍監督の昇格人事だ。球団は、2軍監督就任1年目にして2軍日本一へと導いた手腕を大きく評価している。3年間、金本監督の側近としチームを支えてきたこともあり、現在のチーム状況もよく把握している。ただ、1軍監督の経験がなく、金本監督の轍を踏む不安もある。
すべては矢野2軍監督の意志にかかっているが、事はそう簡単に運びそうにない。
矢野2軍監督は、金本監督の強い要請で、金本政権発足時に入閣した。同じく金本政権の参謀として入閣した片岡篤史ヘッド兼打撃コーチは、今季限りでの退団が濃厚だ。他のコーチ陣の去就に関しては未定だが、スタッフが一新され、チーム金本が解体される可能性もある。
また、金本監督の辞任に関して、スポーツニッポンが2018年10月12日付けのWEBサイトで事実上の解任であったと報じた。記事によると、10月10日に揚塩健治球団社長が金本監督に辞任を迫ったという。
通常、現場スタッフの人事は監督が握り、監督の意志が強く反映される。金本監督もまた、信頼のおけるスタッフで周囲を固めた。いわば監督、コーチは一蓮托生で、監督が交代すれば現場スタッフが入れ替わるのが通例である。
このような状況で矢野2軍監督は決断を迫られている。また、金本監督が事実上の解任であったのならば、球団への不信感が出てくるだろう。