東京メトロは2018年10月11日、丸ノ内線の新型車両「2000系」を報道陣に公開した。新型車両の導入は約30年ぶり。
外装では丸ノ内線のシンボルでもある鮮やかな赤や「サインウェーブ」を引き続き生かしながら、車両内部も丸窓を採用したりして路線名にもある「丸」を強調。同社としては初めて携帯電話用のコンセントも導入。争奪戦も起こりそうだ。
現行の02系はリニューアルで「サインウェーブ」復活
歴代丸ノ内線の車両の特徴のひとつが、白帯の中に「サインウェーブ」と呼ばれるステンレスのカーブを配したデザインだ。1957年から96年にかけて活躍した500形は赤地に白帯、その白帯の中にステンレスのカーブを配したデザインが有名だ。88年に登場した02系はアルミの車体に赤い赤帯。この段階ではサインウェーブは姿を消したが、2010年のリニューアルで赤帯の中に白でサインウェーブが書き込まれた。
今回お披露目された2000系は、先々代の500形を連想させる「グローイング・スカーレット」と呼ばれる鮮やかな赤色がベースで、ドアや窓の上にサインウェーブ入りの白いラインが入った。
機能面では、02系と比べて消費電力が27%少なくなり、停電で駅の間に停止した場合でもバッテリーで最寄り駅まで走れるようになった。前面の行先表示器には、「M01」(荻窪)といった駅ナンバリングが表示され、車内の17インチディスプレーには4か国語で乗り換えや駅設備を表示。漢字が読めない外国人観光客にも分かりやすくなった。無料無線LANも備えた。
コンセントの数は1両あたり2つ
内装面では、中央の天井を高くしてドーム状の空間に。手すりや窓には丸みを帯びたデザインを取り入れた。丸窓は車両の端にあり、その斜め下にはコンセントを設けた。コンセントの数は1両あたり2つで、争奪戦も起きそうだ。荻野智久・車両部設計課課長によると、車内のプロジェクトで
「緊急時に携帯電話を少しでも充電したい」
といった声があがったことが設置のきっかけになったといい、
「お客様どうし譲り合って使っていただければ」
と呼びかけていた。
2000系は19年2月頃営業運転を始め、22年度までに全53編成318両を02系と入れ替える。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)